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十  ヤコブと子供達



 年がたってイザクが60になったとき、神さまはイザクに、二人の男の子をお授けになりました。兄をエザウ、弟はヤコブといいました。このヤコブは、のちに神さまから、イスラエルという名をいただきました。それでヤコブの子孫をみな、イスラエル人といいます。ヤコブは12人の子供がありました。長男がルベンで、そのほか、ユダ、ヨゼフ、末っ子のベンヤミンなどがいました。ヤコブは子供たちの中でもヨゼフを特別にひいきして、きれいな着物を着せたりして可愛がっていました。

 ヨゼフが16になったある日のこと、兄弟たちと牧場へ家畜の番をしに行きました。そのとき、兄弟たちは悪いことをしたので、ヨゼフはそれを父に告げました。そのために兄弟たちはヨゼフをうらみ、口もきかないようになってしまいました。



 あるとき、ヨゼフはふしぎな夢を見たのでそれを兄弟たちに話してきかせました。
「兄さん、私はこんな夢を見ました。私たちがみんなで、畑を麦でたばねていると、私のたばねた麦たばがすっと立って、兄さんたちのたばねた麦たばは、そのまわりに集まってきて、おじぎをしました。」この話を聞いた兄たちは、「なんだって!おまえはおれたちの王さまにでもなると言うのか!」と口汚くののしり、それからは、前よりもいっそうひどくヨゼフを憎みねたむようになりました。


 ヨゼフが兄弟の悪いことをお父さんに告げたのは、よいことでしたでしょうか?



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